みなさん、こんにちは。
産婦人科医・プロコーチのYokoです。
このブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、子宮内膜症と不妊症の関係についてお話したいと思います。
ぜひ最後までご覧ください🌷
子宮内膜症とは
子宮内膜症とは、
本来なら、子宮の中にある子宮内膜の組織が、子宮の筋層内や、子宮の外(卵巣、卵管、お腹の中)にできた状態のこと
をいいます。
子宮内膜症は、10代から40代頃の女性の約10%にみられ、月経痛や慢性の骨盤痛みなどの疼痛症状を伴います。
さらに、30−50%が不妊を合併します。
(不妊症の女性のうち、20−50%に子宮内膜症があります)

子宮内膜症では何が起こっているの?
通常、子宮内膜は、月経周期のホルモンバランスによって、フカフカのお布団のような状態になり、月経血として子宮外に出ていきます。いわゆる、『生理』です。
その際に、子宮内膜症により、子宮の外にできた子宮内膜の細胞も、フカフカになるのですが、
子宮の外に出ることができないので、その部分で血液が溜まってしまい、
卵巣が腫れたり(チョコレート嚢胞)、
卵管内やお腹の中で、ベタベタした塊として、溜まってしまいます。
その結果、痛みや、不妊の原因になります。
子宮内膜症の症状
子宮内膜症ができた部位によって、様々な症状が現れます。
子宮筋層→激しい生理痛
子宮の後ろ側→排便時の痛み、腰痛、性交痛
お腹の中→下腹部の痛み
卵巣内→下腹部の痛み
(上記は、目安です👆)
時には、その痛みのため、著しく日常生活が阻害される場合もあります。
子宮内膜症と不妊の関係
では、子宮内膜症は、どのように妊孕性(妊娠する能力)に影響するのでしょうか。
癒着
まず一つ目は、癒着による影響です。
子宮内膜症がある部分には、溶けたチョコレートのようなベタベタの組織が溜まってしまいます。
特に、卵管内や、卵管さい(排卵した卵子をキャッチする、いわば卵管の手のような場所)付近に子宮内膜症の病変があると、卵子が通過しづらくなり、子宮内に到達できなくなってしまします。
その結果、自然妊娠が難しくなる可能性があります。
卵子、精子、受精卵への影響
子宮内膜症により、免疫学的、内分泌的な問題が生じ、卵子や精子、受精卵に影響が起こります。
その機序は、まだ不明のところもありますが、
✔️精子機能低下
✔️受精卵の発育阻害
✔️卵胞の発育不全
✔️受精卵の着床障害
さらには、卵胞や受精卵、胚の質の低下
の可能性も指摘されています。
子宮内膜症の治療法
子宮内膜症の治療には、鎮痛薬、ホルモン治療、手術療法があります。
鎮痛薬
NSAIDs(ロキソニンなど)
疼痛緩和に有用です。市販薬もあります。
ただし、子宮内膜症自体は改善できません。
また、子宮内膜症の約20%の方は、鎮痛薬でも疼痛をコントロールできないといわれています。
⚠️喘息の既往歴がある方は主治医にご相談くださいね。
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漢方薬
漢方薬を処方することもあります。
具体的には、
芍薬甘草湯・当帰芍薬散・桂枝茯苓丸などです。
ホルモン治療
ホルモン治療には、
✔️低用量ピル
✔️黄体ホルモン(ジェノゲストなど)
✔️GnRHアナログ
✔️レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)
などがあります。
⚠️GnRHアナログについては、その副作用のため、長期的な管理に向きません。低用量ピルや、黄体ホルモンが何らかの理由で使用できない時の選択肢となります。
⚠️レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)は、俗にいう、『ミレーナ』です。
全身へのホルモン作用はほとんどなく、血栓や低エストロゲンによる副作用はありませんが、不正出血のリスクや、子宮の外に出てしまうこともあるため、注意が必要です。
手術療法
卵巣チョコレート嚢胞など、嚢胞がある場合、
大きさや年齢、挙児希望の有無を考慮して、手術を選択することもあります。
また、子宮内膜症は、稀に悪性化することもあるため、悪性が疑われる場合は、手術治療を行います。
ただし、手術により、卵巣の機能が低下してしまう可能性が高いため、患者さん毎に検討が必要です。
不妊治療のタイミング
子宮内膜症の方の、最適なタイミングとして、確立されたものはありません。
✔️年齢
✔️不妊期間
✔️卵巣予備能(AMH)
✔️子宮内膜症の治療歴
✔️疼痛の有無
✔️再発の有無
などを考慮して、不妊治療の時期を検討します。
AMHについての詳細はこちら
こんなときは相談を
生理痛がひどい
排便時や性行時の痛みがある
月経時以外に下腹部が痛い
半年から一年以上妊娠しない
また、子宮内膜症として治療している場合も、妊娠したいという気持ちが出てきたら、早めにご相談くださいね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

